企業のSNS活用はコンテンツが重要 ~クラシコムのビジネスモデルから倣う~
SNSを活用している企業は数多くありますが、「フォロワーが増えても売上に繋がらない」「広告費ばかりかかる」と悩む担当者も多いのではないでしょうか。今回は、ECサイト「北欧、暮らしの道具店」を運営する株式会社クラシコムのビジネスモデルを参考に、企業のSNS活用においてなぜ「コンテンツ」が重要なのかを解説します。
株式会社クラシコム:世界観ビジネスで急成長
クラシコムは「北欧、暮らしの道具店」を運営する企業です。同社の最大の特徴は、商品販売にとどまらず、「世界観」を通じたファンコミュニティの形成に注力している点です。
その戦略が評価され、一橋大学が主催するポーター賞を2021年に受賞しています。
世界観を広めるためのコンテンツ戦略
クラシコムはブランドの世界観を広めるために、自社サイトの読み物コンテンツをはじめ、各SNSでの発信、さらには映画の制作まで、幅広いコンテンツを展開しています。
これらのコンテンツはすべて「売るためのもの」ではなく、ブランドの世界観を伝えるためのものとして位置づけられています。
コンテンツ接触が売上に繋がる
コンテンツ戦略の成果として注目すべきは、コンテンツ接触から購入に至る明確なファネルが構築されている点です。
年間総リーチユーザー数 | エンゲージメントアカウント数 | 累計会員数 | 年間購入者数 |
|---|---|---|---|
2,000万 | 430万 | 42万 | 18万 |
年間総リーチ2,000万人に対し、最終的に18万人が購入に至る流れが確立されており、コンテンツ接触者の内、どのくらいが購入するかのモデルが出来上がっています。
参照:https://newspicks.com/book/3091/article/6467122?ref=book_3091
あくまでコンテンツ起点の発想
コンテンツ制作においても、クラシコムのスタンスは一貫しています。
「売れる商品は何か?」というプロダクト発想ではなく、「自分たちが楽しめる、または楽しんでもらえるコンテンツとは何か?」を出発点にしています。
コンテンツに共感したユーザーが自然と商品に興味を持つ流れを作ることで、押しつけがましくない販売を実現しています。
広告費を大幅に削減
コンテンツで継続的に人を呼び込める仕組みができているため、広告費の依存度が極めて低い点もクラシコムの強みです。
売上高に占める広告費率は、一般的なECサイトが15〜20%であるのに対し、クラシコムはわずか6.6%。コンテンツへの投賄が、広告費という固定費の削減に直結しています。
参照:https://newspicks.com/book/3091/article/6467122?ref=book_3091
このビジネスモデルが生まれた背景
このビジネスモデルは、創業時の理念から生まれています。クラシコムは創業時に「自由・平和・希望」という3つの軸を定めており、「他社に支配されない状況を作る」「望まない競争はしない」「今年は売れるけど、来年は売れないという事業はしない」という思想を持っていました。
この思想を実現するヒントは2つの体験から生まれています。
1つ目は、スタッフによる商品の愛用コメントがCVRを3倍に引き上げた体験です。サイト運用が思うようにいかなかった時期、社員が商品を実際に愛用しているコメントを掲載したところ、CVRが3倍に向上しました。「社員が自社を好き」という気持ちが売上に直結することを学んだのです。
2つ目は、広告費による利益圧迫への気づきです。当初ECサイトに人を集めるために広告費を払い続けたところ、利益が残らない状態に陥りました。そこで「広告を払う会社と払われる会社の違いは、サイトに訪れた時に『お土産』があるかないかの違いだ」と気づき、コンテンツへの注力を決意しました。
まとめ
クラシコムのビジネスモデルから学べることは、SNS活用の本質は「拡散」ではなく「コンテンツ」にあるということです。フォロワー数や広告費に頑るのではなく、ブランドの世界観に共感してもらえるコンテンツを継続的に提供することが、長期的な顧客獲得と利益の最大化に繋がります。